2023年09月20日(水)

   異変って突然来るものだ、と思った8月の日曜日。

   いつものように機織りをしていたら、右手に持った板ひ(糸を巻いた道具)が水平に保てない。
   傾いたままで糸の間を通らないのだ。立ち上がると右足に力が入らずガクンと傾く。
   あわてて二階の居間への階段も四つ這いになって上り、近くに住む息子に連絡して車に乗って愛知医大へ。

   日曜日のため数時間待たされた後に、脳のMRIを受けて脳梗塞と診断される。
   とるものもとりあえずという形で即日入院となり、その日は個室で過ごした。
   腕には4つの点滴液をつけて、次の日からは4人部屋に移ることになった。

   これまで米の飯を敬遠してきたけど、3食とも完全な和食となった。
   同室の人とはカーテンに遮られて会話はないけど気配はある。
   鼻の手術後、脳梗塞、糖尿病などいろいろあっても退院は近い人たちと過ごす。

     入院直後に息子に頼んだのはこれまで関係のあった人や場所への緊急連絡だ。
     けっこう連絡するとこが多いんだな、と呟いていた。
     連絡内容は「退会します」「しばらく休みます」「延期します」に分けて・・・


            11階の病室から長久手のパノラマを朝・昼・夕・夜と見ていた


    

     脳梗塞というのは血管の経年劣化だから手足が動いてもやることをセーブしなくちゃ!
     考える時間はたっぷりある。やりたい放題だったことを取捨選択しないと振り回されるなあ。
     これからの暮らしに譲れないことは何だろう? やめても代わりのことを自分で進められることは?

     人のためにやるんじゃなく、自分のためにやることが結果的に人のためにもなればいい。


今は一人、10月から交流の場となるアトリエです

そう考えるとかなり内容が絞られてきた。
入院したきっかけは機織りの最中だ。
35年前から糸を染めて、1枚ずつ布を織ってきた。
白内障の手術後は細かい作業が捗る。
糸もたっぷりあるし織りたい布もある。
これから続けることの第一は機織りに決めた。

第二は最近始めた絵を描くことだ。
子どもの頃から好きだったからまた始めよう。
機織りでは表現できない世界があるもの。

第三はいろいろな作家や作品の展示である。
人の作った世界を見せてもらえるのは刺激になる。

いずれも「表現活動」で1階の空間でできること。
外へ出かけないのはスケジュールに縛られない。
私のスケジュールは真っ白で自由になった。

病院のリハビリは「歩くこと」「筋肉を作る」だ。
すぐに足が痛くなるけど、買い物をしている歩く。
ラジオ体操とスクワットをユーチューブで真似る。
日々の暮らしで習慣化することを目指すしかない。


Posted by 欅舍のひろ at :  パーマリンク