2024年09月18日(水)

   2年がかりで進めてきた企画展をやっと開けることになった。
   欅舎ではこれまでグループ展しか開いていない。それも立体作品の展示がほとんどだった。
   作家の個展は今回が初めてだし、絵というジャンルも初めてなのだ。
   
   言うまでもないことだが、ギャラリーというのは作家の作品を展示して売る場所である。
   売った金額の何割かずつをギャラリーと作家とで分け合っている。
   ギャラリーはそれによって経営を成り立たせ、作家はそれによって活動することができる。
   それがプロのギャラリーであり、プロの作り手と言える。
   お客さんに作品を買ってもらい作家に喜んでもらえるといいのだが、私には性格上それができない。
   ひどいストレスになり心身ともに不調になるだろう。ではなぜ個展など開くのか?
   それは「ぎゃらりーにもいろいろあるさ」っていう 一つの試みをしてみたいのだ。

   いつの頃からかアート作品を見るだけでなく、手元に置きたいと思うようになった。
   いろいろなギャラリーで作家たちの作品を購入して、ギャラリーと作家に喜んでもらうことはできた。
   そのうちに購入した作品で家の中がいっぱいになり、これ以上置く場所もお金もなくなってしまった。
   知らないうちに「コレクター」と思われて、買わないのに他のギャラリーへは行けない気になった。

   この2年間は「作家にとっても自分にとっても、納得できる展示とは何か」と考えてきた。


初期の頃の版画作品がいっぱい

最近の大きな油彩作品が並ぶ


    
    9月21日からの企画展は作家の35年間の作品を展示し、今後の作品制作へのヒントを見つけてほしい。
    そしてただ展示するだけでなく、すべての作品に値段をつけて販売もしてもらう。
    ここからが欅舎流の新しいやり方で試行錯誤していくことになる。

    ①作家は売るための努力をして、売れた分の金額すべてを自身のものにできる。
    ②ギャラリー(欅舎)は展示空間を提供し、かかる労力や宣伝に努力してマージンは受け取らない。

    今回の企画展はこのやり方で進めていくが(作家との話し合いは終わった)どのようになるのかな。


Posted by 欅舍のひろ at :  パーマリンク