2017年12月11日(月)

    人や場所,そして出来事と いつ出会うかは分からない。
    予測は着かないけど、あとで考えると必然だったとも思えることがあるものだ。
    今年の五月から始まった一連の流れは、私の意識の下で少しずつ形づくられていたと思う。

    ずっと続けてきた自宅工房での「染織教室」を、この春に一段落させた。
    大型の高機二台と何台かの小型機をどうしようか? 
    織り機は使わないと置き場に困るし、誰かに譲ってもすぐに織れるものではない。
    何年か前から個人の趣味としての機織りでなく、もっと社会性のある使い方がしたかった。


のこぎり二には寄付してくださった糸がいっぱい

一宮には 2000件ものノコギリ屋根が存在するそうだ。
今年の5月「のこぎり二」へ作家の個展を見に行った。
新聞記事を頼りに探し回り、片道2時間かかった。

初めて会った作家の作品も衝撃的だったが、
ノコギリ屋根の空間スケールがすごい!
初めて見た建物の光景なんだけど 既視感が半端ない。
遠い昔にどこかで見たのかも知れないなあ。

自宅にある数台の織り機は知多半島の手作り機である。
昔は知多木綿の産地、ノコギリ屋根があった?    
子どものとき名古屋に引っ越したけど、記憶の底に沈んでいた光景なのかと思っている。

       


    のこぎり二の若きオーナーに会って以来とんとん拍子で話が進み、使わない織り機は今ここにいる。
    ずっと以前からここにいるように溶け込み、自然な風景になっているようだ。

    10月から始まった機織り教室のメンバーは全員が一宮在住の初心者だが「尾州織姫」と名づけられた 
    5人の織姫の意欲は強く、織りの技術を身に着ける速度には驚いている。

    この12月で基礎を終え来年から個性を発揮する応用に移るのを、楽しみにしている年の暮れである。


Posted by 欅舍のひろ at :  パーマリンク