2020年01月01日(水)
カテゴリー: 暮らしのスケッチ
新年になって一日しか経っていないけど、2019年はいろいろあったなあ。
6月は初めての企画展「もしも色がなかったら・・光と影の世界へようこそ」を6人の作家で展示、
ギャラリーいっぱいにモノクロの世界を表現できた。
しかし7月になって家族(夫)に異変が起きる。レントゲン写真で肺に白い影が映り検査入院した。
9月には「肺がんステージⅢ」と宣告され、どんな治療が可能なのか?
ひどく痩せていて体力がないこと,78才という年齢のため、放射線治療しか選択の余地なしだった。
9月~11月の3ケ月は平日の午前,午後と地元の愛知医大に通院付添に追われる。
息子二人も付き添いに協力してくれたのは心強かった。
癌という病は夫にショックを与え、一時は認知症の様相をもたらした。
記憶がひどく曖昧になり、昨日の事だけでなく、先ほど話したことも忘れてしまうのだ。
困り果てて地域の介護支援センターに相談し、市役所経由で「介護1」と認定される。
夫の肺がんの症状として夜中に咳が続き、私も眠れなくて困った末に善後策を考える。
介護ベットの導入後、ベットの角度を肺に負担がないように変えてみた。
少し呼吸が楽になったというので、私は別の部屋に寝ることにした。(現在に続く)
行先が見えないこの時期を乗り越えることができたのは、2つのことを平行したからだと思う。
まずは、10月の企画展「4人の軌跡を辿る作品展・・子育てしながら制作を続ける」を遂行したことだ。
ながくてアートフェスティバルの期間と重なり、多くの来場者に恵まれて忙しく過ごすことができた。
もう一つは1年余続けてきた声楽の個人レッスンを週一回休まなかったことだ。
愛知医大に行く前の30分を思いっ切り声を出し、少しずつ歌えるようになったのは嬉しい。
夫の肺がんは放射線照射が効いてかなり縮小したが、痩せていることもあって体力は回復しない。
これまでのような生活ができないのは仕方ないが、本人はよく愚痴を言う毎日だ。
癌という病は家族にとってずっと付きまとうが、癌と共存していくより仕方がないだろう。
私は少し距離を置いて暮らすことで、自分の位置を確認しながら進んでいこうと考える。
Posted by 欅舍のひろ at : パーマリンク