2019年09月10日(火)
カテゴリー: モノづくりと絵
この夏の終わりに 一冊の画集に出会った。
一人の画家が30年近くもテーマにした 一人の女性とその暮らし を描いたものである。
この画集を見たその夜、心の奥深くに沈んだ興奮?のためか 私は一睡もできなかったのだ。
代表作「クリスティーナの世界」に登場するクリスティーナは、
画家ワイエスの別荘の近くに住んでいた オルソン家の女性である。
生来病弱で孤独に育ったワイエスは、このポリオで足が不自由な女性が、
何もかも自分の力でやってのける生命力に感動した。
そして、出会いの時からその死まで 30年に亘ってこの女性を描き続けた。
ワイエスは1917年、ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のチャッズ・フォードに生まれる。
心身ともに虚弱であったワイエスは、ほとんど学校教育を受けず、家庭教師から読み書きを習った。
絵の師は著名なイラストレーター(挿絵画家)であった父親(N.C.ワイエス)である。
ワイエスは自宅のある生地チャッズ・フォードと、別荘のあるメーン州クッシングの2つの場所以外には
ほとんど旅行もしなかった。
彼の作品のほとんどすべては、この2つの場所の風景とそこに暮らす人々とがテーマになっている。
Posted by 欅舍のひろ at : パーマリンク