2018年12月29日(土)

    昨年6月に初めて訪れた一宮「のこぎり二」は、歴史のある元工場です。
    広々として気持ちのいい空間だけど、使われてはいませんでした。

    ちょうどその頃、20年近く自宅の一階でやっていた機織り教室をやめる準備をしていたのです。
    長年お世話になっていた数台の機をどうするか? 迷っていました。

    ふと閃いたのはあの「のこぎり二」の光景、機織り機の第二の門出になるかも知れない!
    元工場の様々な使い方を模索していた若いオーナーからOKが出たので、早速始めます。
    五台の織り機と一台の紡ぎ車を運んで「機織り伝承塾」をPRしていただきました。
    長年やりたかったボランティア活動が、機織り伝承という形で実を結んだのです。

    その年の10月から始まった「尾州織姫・機織り教室」は7人の織姫で継続されています。   
    織姫の技能とセンスがどんどんレベルアップされ、私も初心に戻って工夫することが楽しいです。


春の終わりから長い布を織りはじめる

織りあがった六枚の布を飾り付ける


    

    自宅アトリエには、ギャラリーから移動した作家たちの作品と染めた糸が同居してとても賑やかです。
    その空間の中で機を織る時間は、一人だけの織姫になってのんびり過ごしています。


春はこんなアトリエ風景だった

晩秋になって壁面が作品ギャラリーになる

絵と立体作品と糸は相性がいい


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2017年12月11日(月)

    人や場所,そして出来事と いつ出会うかは分からない。
    予測は着かないけど、あとで考えると必然だったとも思えることがあるものだ。
    今年の五月から始まった一連の流れは、私の意識の下で少しずつ形づくられていたと思う。

    ずっと続けてきた自宅工房での「染織教室」を、この春に一段落させた。
    大型の高機二台と何台かの小型機をどうしようか? 
    織り機は使わないと置き場に困るし、誰かに譲ってもすぐに織れるものではない。
    何年か前から個人の趣味としての機織りでなく、もっと社会性のある使い方がしたかった。


のこぎり二には寄付してくださった糸がいっぱい

一宮には 2000件ものノコギリ屋根が存在するそうだ。
今年の5月「のこぎり二」へ作家の個展を見に行った。
新聞記事を頼りに探し回り、片道2時間かかった。

初めて会った作家の作品も衝撃的だったが、
ノコギリ屋根の空間スケールがすごい!
初めて見た建物の光景なんだけど 既視感が半端ない。
遠い昔にどこかで見たのかも知れないなあ。

自宅にある数台の織り機は知多半島の手作り機である。
昔は知多木綿の産地、ノコギリ屋根があった?    
子どものとき名古屋に引っ越したけど、記憶の底に沈んでいた光景なのかと思っている。

       


    のこぎり二の若きオーナーに会って以来とんとん拍子で話が進み、使わない織り機は今ここにいる。
    ずっと以前からここにいるように溶け込み、自然な風景になっているようだ。

    10月から始まった機織り教室のメンバーは全員が一宮在住の初心者だが「尾州織姫」と名づけられた 
    5人の織姫の意欲は強く、織りの技術を身に着ける速度には驚いている。

    この12月で基礎を終え来年から個性を発揮する応用に移るのを、楽しみにしている年の暮れである。


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