2019年04月09日(火)
カテゴリー: 働くこと
今から約20年前にバブルが弾けて、新卒者の就職先がなかなか見つからなかったのです。
それ以降の時代は100社の試験を受けても一つも受からない学生からすると、先駆けの世代だったかも。
そういえば親の世代にも、「3ケ月,1年,3年」という例えがありました。
新しい職場に入ると学生時代とのギャップが大きく、まずは3ケ月で1回目の危機が来ます。
それを乗り越えての1年間で仕事の内容がざっとつかめた時が2回目の危機。
3年持ちこたえれば周囲ととけあって何とか続けていけることが多かったのです。
退職浪人しても少し探せば、次の職場を見つけることも難しくなかった時代の話で恐縮です。
さて、やっと就職したと親が安堵した兄は2年で退職。
・コンピューターと1日中向き合って本も読めない
・残業で事務所に寝泊まりの先輩に未来の自分を見る
理由はいろいろあっても、「身分保障のない使い捨ての未来」を感じてしまったのでしょう。
同時期に就職した弟はもう一年働いて、三年後に退職。
この企業にいた先輩たちも3年を待たずに去ったとか。
・結婚していれば仕方ないけど、ぬるま湯のような生活が続くと思うとたまらん
在職中に貯めたお金を元手に、兄はヨーロッパへの一人旅,弟はインドやアジアへの放浪の旅に出かけます。
お金が無くなると日本へ帰り、短期のバイトをしてまた出かけて行きました。
自分探しだったのかどうか、野宿や安宿での放浪暮らしがそれから2,3年続きます。
帰国するたびに、現地の人と変わらない服装になりとけ込んでいるみたい。
この先がどうなるのか? 親もやきもきしつつ、命が無事ならよしと腹をくくりました。
ある日フラリと帰ってきた弟は、「もう旅はやめて日本にいることにする」と。
(この項 続きます)
Posted by 欅舍のひろ at : パーマリンク